検査はできるだけ楽&安全に

当クリニックでは胃カメラの際、鎮静剤の使用は行っておりません。
その理由をご説明します。

「たかが検査をきっかけに意識が戻らない可能性を残したまま、医療をする度胸はありません」
…私がこのように思っているからです。
未開封で使用期限を迎えた解毒剤を破棄する時にはホッとするのです。

それでもなんとか楽に胃カメラを受けていただくことはできないかと考えて、2005年1月から経鼻内視鏡(鼻から胃カメラ)を導入しました。
従来の胃カメラが直径9.4mmなのに比べて5.9mm(太めのうどんサイズ)と断面積比で39%しかありません。
このカメラを十分に麻酔した鼻腔から挿入するのですが、従来の胃カメラなら必ず通過する舌根部には触れないので、「ゲェ~ッ」という嘔吐反応が起きませんし、検査中に普通に会話できるので、自分の胃を観察しながら質問することもできます。
鎮静剤を使わないのでクルマで来院できますし、薬剤禁忌のために胃の動きを止める注射をつかえない場合でも検査可能です。
導入した年の7月中旬までに300人以上の方に経鼻内視鏡をしていただきましたが、「従来の胃カメラより格段に楽だった」と言われる方が95%以上でした。
ただし、2~3%の方は鼻腔(中鼻道)が著しく狭かったので、鼻からの挿入を中止して口から(経口)に切り替えました。
内視鏡自体が極細なので、経口でももちろんスルリと挿入可能です。

欠点は、極細構造のために画素数が少なく画質が若干劣ることです。
とはいえ、従来の胃カメラを写真館の写真とすれば、「鼻から」は中級クラスのデジタルカメラの画質のレベルなので診断には十二分に役立ちます。