本当に『胃痛』?

「胃が痛いんですけど」
こう言って来院される方、多いですね。不思議なことに、「胃薬飲んでるけど治りません」と言う方が少なくありません。
胃が痛い、と先生に言うと、「じゃ胃の検査をしましょう」となって、たいていの結果は、「胃は異常ないですね」 とくるから、まずはひと安心。その後、胃薬その他で様子を見るけれどどうも芳しくない、ということのようです。どうしてそうなるのでしょうか?
私は、患者と医師の双方が、「胃痛」=「胃の検査と治療」と短絡してしまうからではないかと思っています。患者様の言葉を傾聴することは大切です。でも、消化器全体を考慮して解釈してみる必要もあるのではないでしょうか。

胃だけが犯人じゃない

実は、皆様が胃と思われる場所には胃だけではなく、十二指腸・胆のう・膵臓・リンパ節などもあるのです。そして、忘れられがちだけど大切なのが大腸。それに、痛む所が悪いとは限らないのも、おなかの特徴です。
最近、「胃痛」なのに胃カメラやエコーで異常がない例を、NUD(機能性胃腸症)と診断するようになりました。「胃痛や吐き気」の方の半数がそれに該当するようです。
でも、丁寧に問診や診察をすると、患者様も自覚してない便通異常を伴うことが多く、これを改善すると「胃痛」が治るのをよく経験します。NUDの診断基準に便通が含まれてないのが不思議なくらいです。